宿儺と真人は、死後の世界で再会します。
生前は敵対関係にあった二人ですが、死後の世界では穏やかに言葉を交わします。
真人は宿儺に対し、「結局、お前は人を呪って死んだんだな」と、彼が人間を嫌悪し、復讐のために生きてきたことを指摘します。
これは、作中で宿儺が虎杖の体を乗っ取った際に度々見せてきた、人間を見下し、蹂躙するような行動を反映した言葉と言えるでしょう。
しかし、宿儺は真人の言葉に反論するでもなく、「ああ。
だが、違う生き方を選ぶことができたきっかけは2度あった」と、意外な告白をします。
その背後には、巫女服を着た黒髪の女性と、白い和装の子どもの二人の後ろ姿が描かれており、彼らが宿儺の人生における「2つの道」を象徴する存在であると考えられます。
「2つの道」とは?
宿儺が言及した「2つの道」とは、彼の人生における2つの分岐点を指していると考えられます。
1つ目の道:白い和装の子どもとの出会い
白い和装の子ども、恐らくは裏梅との出会いです。
裏梅は宿儺に絶対的な忠誠を誓い、彼の要望に応えるために術式と調理技術を学び続けました。
裏梅の存在によって、宿儺は人間に対する憎しみ以外の感情、例えば信頼や愛情といったものに触れる機会を得ていた可能性があります。
2つ目の道:巫女姿の女性との出会い
巫女姿の女性の存在は、宿儺の母親や、宿儺と何らかの繋がりがあると示唆される天元など、彼にとって重要な人物であった可能性が考えられます。
これらの出会いが宿儺の人生にどのような影響を与えたのかは、作中では明確に描かれていませんが、彼が「違う生き方を選んでもいいかもしれない」と語る姿勢から、過去の選択に対する後悔の念も垣間見えます。