まずは1102話のあらすじを簡単に振り返ってみましょう。
CP0のルッチ、カク、ステューシーによるベガパンク抹殺計画が進行する中、戦桃丸は倒れ、セラフィムの支配権は再びCP0の手に渡ってしまいます。
ベガパンクはサニー号への乗船を決意し、ルフィの到着を待ちわびます。
一方、ルフィたちはラボに到着しますが、ベガパンクへの復讐に燃えるボニーが暴走し、どこかへ走り去ってしまいます。
そんな中、フロンティアドームが解除され、CP0は研究層に接近し、サニー号の破壊を企てます。
そして、大海原の上空では、バーソロミュー・くまがレッドラインに激突し、レッドポートに墜落します。
くまがルフィに見た「ニカ」の姿とは?
この章では、1102話で特に注目すべき点である、くまがルフィの中に「ニカ」を見ていたという点について深く考察していきます。
コルボ山でルフィと遭遇した際、くまはルフィのゴムゴムの実の能力を見て、政府に隠蔽された「ニカ」の能力と似ていると感じたようです。
しかし、彼が「ニカ」の実の正体や、ルフィがその能力者であることを明確に認識していたかどうかは定かではありません。
では、くまはなぜルフィに「ニカ」の姿を見たのでしょうか?
まず考えられるのは、くま自身が革命軍の一員として、世界政府の闇や「ニカ」の存在についてある程度の知識を持っていた可能性です。
彼は世界政府の奴隷制度や差別を目の当たりにし、世界を変える力を持つ「ニカ」に希望を抱いていたのかもしれません。
そして、ルフィの自由奔放な姿や、仲間を大切にする心に、「ニカ」の再来を感じ取ったのではないでしょうか。
もう一つ考えられるのは、くまの「肉球果実」の能力が関係している可能性です。
肉球果実は、あらゆるものを弾き飛ばすことができる能力ですが、痛みや疲労といった目に見えないものも弾き飛ばすことができます。
もしかしたら、この能力によって、ルフィの潜在能力や、魂に宿る「ニカ」の姿を見抜いていたのかもしれません。
くまの「肉球果実」は、単なる物理的な力だけでなく、人の精神や運命をも見通す力を持っているのかもしれません。
くまの行動の真意と「ヒーロー」への憧憬
くまは世界政府の陰謀を知りながらも、七武海として政府に協力し、自らの体を改造してまで政府の兵器となりました。
これは一見矛盾した行動に見えますが、そこには娘であるボニーを守るため、そしてルフィに未来を託すための深い思惑があったと考えられます。
くまはボニーを政府から守るために、あえて政府に協力し、自らを犠牲にしたのではないでしょうか。
そして、ルフィに未来を託すために、シャボンディ諸島で麦わらの一味を飛ばし、彼らの成長を促したとも考えられます。
また、くまが「ヒーロー」になりたかったという記述もあり、世界を救う「ヒーロー」であるルフィに全てを賭け、その成長を信じ、未来を託したのではないかという考察がなされています。
くまの犠牲:ボニーとルフィへの愛
くまの行動は、娘・ボニーと、未来を託したルフィへの深い愛情によって突き動かされていました。
ボニーを守るため、彼は政府の兵器となり、自らの記憶と自我を犠牲にしました。
これは、父親としての深い愛情と、世界政府への抵抗という、相反する二つの思いの間で葛藤するくまの姿を示しています。
一方、ルフィに対しては、世界を変える力を持つ「ニカ」の姿を見て、未来への希望を託しました。
シャボンディ諸島での麦わらの一味飛ばしは、彼らを危険から守るため、そして更なる成長を促すための行動だったと考えられます。
くまの行動は、愛する者たちを守るための、自己犠牲の精神に基づいたものでした。