はじめに
中華統一を目指す秦王・嬴政と、その右腕として活躍する昌平君。
二人の関係は、君臣としての礼節を守りながらも、互いに深く理解し合う間柄として描かれてきました。
Part 1 では、昌平君の生い立ちや能力、そして嬴政との出会いについて解説しました。
Part 2 では、二人の関係性がどのように築かれてきたのか、歴史的な背景や作中の描写を交えながら考察しました。
そして今回の Part 3 では、キングダム800話以降の展開を踏まえ、二人の信頼関係が今後どのように変化していくのか、あるいは変わらないのかについて深く考察していきます。
800話以降の二人の関係
800話以降、昌平君は楚攻略の総司令官に任命されます。
これは、嬴政が昌平君の能力を高く評価し、厚い信頼を寄せていることの証と言えるでしょう。
嬴政は、昌平君が楚の王族の血を引く人物であることを知りながら、重要な任務を任せる決断を下しました。
これは、嬴政が昌平君個人を信頼し、その忠誠心を疑っていないことを示すと同時に、彼の人材を見抜く力と、戦略的な思考を証明しています。
では、なぜ嬴政はそこまで昌平君を信頼するのでしょうか? それは、昌平君が類まれな知略と武力を兼ね備えた傑物だからです。
介億からは「武力は大将軍の蒙武級で知力は李牧級」と評されており、文武両面で秦国に大きく貢献してきました。
さらに、昌平君は自身の後進育成にも力を注いでいます。
彼は軍師学校を開設し、河了貂や蒙毅など、将来を担う人材を育成することで、秦国の未来を見据えているのです。
また、昌平君が呂不韋陣営から嬴政陣営に移ったという決断も、二人の信頼関係を語る上で重要な要素です。
当時、呂不韋は秦国の実権を握る絶大な権力者でした。
それでも昌平君は、自らの信念に従い、中華統一を目指す嬴政に仕える道を選びました。
この決断は、彼の先見性と、嬴政への強い信頼を示すものであり、二人の絆をより強固なものにしたと言えるでしょう。