デクは戦略的な思考と個性に対する深い敬意を持つ少年です。彼は、これまで培ってきた戦術と、OFAに宿る歴代継承者たちの個性を駆使し、死柄木に立ち向かいます。デクの個性に対する情熱と敬意は、歴代継承者たちでさえ想像し得なかった方法で、個性を使いこなすことを可能にしています。ブラックウィップで自身の体を操り人形のように動かし、死柄木を翻弄するシーンは、彼の並外れた決意と、ヒーローとしての強い意志を示すものです。

デクの行動原理を紐解くと、幼い頃から”無個性”であり、ヒーローになることを諦めかけていた彼は、オールマイトとの出会いによってヒーローへの道を歩み始めました。しかし、彼は常に「自分はヒーローにふさわしいのか」という葛藤を抱え、その思いが、自身の身を顧みない戦い方に繋がっていると考えられます。

当初、デクは死柄木を殺すつもりで戦っていた可能性も示唆されています。しかし、戦いの中で、敵である死柄木の中に怯える子供を見て、「救いたい」という気持ちを抱くようになります。

死柄木弔…崩壊の化身、その心の闇

死柄木はデクの攻撃に対し、恐怖よりも破壊衝動を感じています。自らの手を切り落とすなど、凄まじいまでの破壊衝動に支配されている様子が描かれています。一方で、デクの攻撃によって過去の記憶をフラッシュバックさせ、精神的に動揺している描写も見られます。スターアンドストライプが指摘した死柄木の精神的な脆さが、デクたちの勝利への鍵となる可能性も示唆されています。

死柄木の過去と、彼がヴィランへと至るまでの経緯は、幼い頃に家族を失い、ヒーローへの憧れを否定され続けたことから、社会への憎悪を募らせ、全てを破壊しようとするヴィランへと変貌を遂げた様子が詳しく描かれています。

デクと死柄木の対比:ヒーローとヴィラン、その運命を分けたもの