考察はじめに
2021年8月6日に公開された「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション」(以下、ワールド ヒーローズ ミッション)は、興行収入34億円を超える大ヒットを記録した「僕のヒーローアカデミア」の劇場版第3弾です。
原作者の堀越耕平先生は本作について、「テレビアニメで放送された時系列に沿った内容」だと明言しています。
また、映画公式サイトには「ヒーローVSヴィランの最終決戦直前」の物語が描かれていると明記されています。
アニメ第7期は、まさにその最終決戦が繰り広げられている真っただ中であり、放送済みのストーリーと映画の内容を照らし合わせてみると、おそらく第7期4話~5話のあいだ、デクの雄英帰還から決戦開始までのあいだにダークマイトとの戦いがあったと推測できます。
原作漫画で言うと、33巻322話でデクが帰還し、35巻343話からヴィランとの最終決戦がスタートします。
歴代劇場版「ヒロアカ」シリーズの中では、時系列的にはアニメ6期と7期の間に位置付けられます。
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しかし、この作品の時系列設定について、疑問の声が上がっているようです。
特に、作中でミリオ(ルミリオン)が個性を取り戻すまでの流れに違和感を覚えるファンも多いようです。
本稿では、「ワールド ヒーローズ ミッション」の時系列がおかしいとされる理由を、主にミリオの能力回復に焦点を当てて考察していきます。
ワールド ヒーローズ ミッション の時系列のおかしさ
ミリオの能力回復までの期間が短すぎる
原作漫画では、ミリオはエリちゃんの「巻き戻し」の個性によって能力を取り戻すまでに、ある程度の時間を要したとされています。
しかし、映画では、エリちゃんと出会ってから比較的短期間で能力が回復しているように見えます。